のうそう・のうせきずいくうしんちぐらふぃー
脳槽・脳脊髄腔シンチグラフィー
1人の医師がチェック 1回の改訂 最終更新: 2025.09.24

検査部位

脳・脊髄

対象疾患

水頭症脳脊髄液減少症 など

概要

脳脊髄液は、脳にある脳室くも膜下腔と呼ばれる場所と、脊髄にある脊髄くも膜下腔と呼ばれる場所に存在している液体です。
脳槽・脳脊髄腔シンチグラフィーは脳脊髄液の分布に異常がないか知ることができます。例えば、脳脊髄液減少症では脳脊髄液が外に漏れ出しているのが確認できます。脳槽・脳脊髄腔シンチグラフィーは放射線を出す物質(放射性同位体)を使用するので被ばくします。
導入している病院は限られており、どこでも受けられる検査ではありません。

メリット

  • 脳脊髄液の状態(漏れている、溜まっているなど)を画像で確認することができる
  • 脳脊髄液減少症などの疾患の診断に有用である

デメリット

  • 被ばくする

詳細

シンチグラフィーとは、画像診断法の一つです。まず、放射線を出す検査用の薬剤(放射性同位体)を体内に注射します。その後、放射線を検出することで、薬剤の分布を画像上に表すことができます。
脳脊髄液は、脳にある脳室やくも膜下腔と呼ばれる場所と、脊髄にある脊髄くも膜下腔と呼ばれる場所に存在している液体です。脳槽・脳脊髄腔シンチグラフィーでは脊髄くも膜下腔に検査用の薬剤を注射することで、脳脊髄液がどのように分布しているかを知ることができます。
脳脊髄液減少症では脳脊髄液が脊髄くも膜下腔から漏れ出るため、脳槽・脳脊髄腔シンチグラフィーにより診断することができます。

検査の流れ

  1. 検査は核医学検査室にて行う
  2. 検査台に横向きになり、局所麻酔をする
  3. 放射線を出す物質(放射性同位体)で目印をつけた薬剤を腰椎穿刺(背中の腰椎の間から針を刺す)により、脊髄くも膜下腔という場所に注射する
  4. その後、1-2日ほど続けて撮影を行う。撮影開始から3時間後までは動かないように安静にする。3時間後からは座ったり立ったり、普通の生活の動作をして大丈夫である
  5. 入院期間は2泊3日程度
    脳脊髄液減少症において、検査の結果ブラッドパッチ治療の適用があると判断された場合は、治療を続けて行うので合わせて4泊5日程度になる)

検査を受ける際の注意点

  • 腰椎穿刺(背中の腰椎の間から針を刺す)の際に局所麻酔を行いますが、その際に痛みを感じることがあります。
  • 体内に入った放射性物質は微量であり、時間とともに排出されるため心配は必要ありません。
  • 妊娠中の場合は原則として行いません。妊娠中、妊娠の可能性がある方は、医師に相談してください。
  • 授乳中の場合は乳児への放射性同位体の移行を防ぐため、しばらく授乳をやめてもらうことがあります。
  • 検査後数時間は妊婦や乳児に接触しないようにしてください。

脳槽・脳脊髄腔シンチグラフィーのタグ

カテゴリ
サブカテゴリ