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肺換気シンチグラフィー
1人の医師がチェック 1回の改訂 最終更新: 2025.09.24

検査部位

対象疾患

肺塞栓症、慢性血栓閉塞性肺高血圧症 など

概要

肺換気シンチグラフィーは肺の空気を交換する能力を評価できる検査です。肺の血流を評価する肺血流シンチグラフィーと組み合わせることで、肺塞栓症などの病気の診断を行うことができます。肺換気シンチグラフィーは放射線を出す物質(放射性同位体)を使用するので被ばくします。導入している病院は限られており、どこでも受けられる検査ではありません。

メリット

  • 肺の空気の交換する能力を知ることができる
  • 肺塞栓症の診断などに用いられる(特に造影CT検査ができない場合)

デメリット

  • 被ばくする

詳細

シンチグラフィーとは、画像診断法の一つです。まず、放射線を出す検査用の薬剤(放射性同位体)を体内に注射します。その後、放射線を検出することで、薬剤の分布を画像上に表すことができます。
肺換気シンチグラフィーは肺の換気をする能力を評価することができる検査です。肺の換気とは、空気中の酸素を血中に取り込み、血中の二酸化炭素を空気中に吐き出す働きのことです。検査ではクリプトン81m(81mKr)ガスを吸入して、ガスが肺に分布する様子から肺の換気する能力を調べることができます。
肺のシンチグラフィーには肺換気シンチグラフィーのほかに、肺の血流を評価する肺血流シンチグラフィーがあります。肺血流シンチグラフィーと肺換気シンチグラフィーを組み合わせることで、肺の病気の原因が血流が滞っているからなのか、空気の交換する能力が落ちているからなのか、判断することができます。例えば、肺の血管が詰まってしまう病気である肺塞栓症は、肺血流シンチグラフィーで血流の滞りが見られますが、肺自体には異常がないので肺換気シンチグラフィーは正常になります(これを換気・血流のミスマッチと言います)。

検査の流れ

  1. 検査は核医学検査室にて行う
  2. 検査台に仰向けになる。検査中、身体は動かさないようにする
  3. クリプトンガスをマスクを介して持続的に吸入する
  4. 薬剤の吸入と同時に撮影を開始する
  5. 検査時間は20分-1時間ほどで、すぐに帰宅可能

検査を受ける際の注意点

  • 検査前の食事制限はありません。
  • 検査中、身体は動かさないようにしてください。
  • 肺血流シンチグラフィーと同日に行う場合は、肺換気シンチグラフィー、肺血流シンチグラフィーの順に行います。
  • 体内に入った放射性物質は微量であり、時間とともに排出されるため心配は必要ありません。
  • 妊娠中の場合は原則として行いません。妊娠中、妊娠の可能性がある方は、医師に相談してください。
  • 授乳中の場合は乳児への放射性同位体の移行を防ぐため、しばらく授乳をやめてもらうことがあります。
  • 検査後数時間は妊婦や乳児に接触しないようにしてください。

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