とまつけんさ
塗抹検査
1人の医師がチェック 1回の改訂 最終更新: 2025.09.24

検査部位

たん、尿、髄液 など

対象疾患

肺炎結核膀胱炎腎盂腎炎髄膜炎 など

概要

塗抹検査とはたん、尿、浸出液などの一部を検査用のスライドガラスに塗りつけて、特殊な染色液で染色し、感染症の原因となる菌が存在するかを突き止める検査です。1時間ほどと比較的すぐ検査結果がわかりますが、細かい菌の種類まで同定することは難しい、菌が少ないと原因菌を見つけられないといったデメリットもあります。

メリット

  • 試薬があればどこででも検査ができる
  • 結果が出るまでの時間が短い(1時間ほど)

デメリット

  • 細かい菌種まではわからない
  • 多くの菌が存在しないと見つけられないことがある
  • 生きている菌なのか死んでしまった菌なのかの区別ができない

詳細

塗抹検査とはたん、尿、浸出液などの一部を検査用のスライドガラスに塗りつけて、特殊な染色液で染色し、感染症の原因となる菌が存在するかを突き止める検査です。疑われる菌の種類に応じて専用の染色法を用います。例えば、結核菌などの抗酸菌が存在するかどうかを調べるときは、抗酸菌を特別に染める染色法を用います。
ほかにも感染症の原因菌を同定する検査には培養検査がありますが、培養検査は数日から一週間ほどかかるため、塗抹検査のほうが結果が短時間でわかることが特徴です。
一方で、培養検査はより少ない原因菌でも増やして見つけることができる、治療効果の期待できる抗菌薬の判定ができるといった強みがあります。塗抹検査と培養検査のそれぞれの長所を生かして、感染症の診断や治療法の決定が行われます。