こきゅうきのうけんさ(すぱいろめとりー)
呼吸機能検査(スパイロメトリー)
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最終更新: 2025.09.24
検査部位
肺
対象疾患
概要
メリット
スパイロメーターという測定装置の前で息を吸ったり吐いたりすることで、呼吸機能を調べることができる
デメリット
詳細
呼吸機能検査(スパイロメトリー)はスパイロメーターという測定装置を用いて、肺の機能を調べます。呼吸機能検査で調べることができる代表的な肺機能の項目としては肺活量と1秒率があります。ここでは肺活量と1秒率について簡単に説明します。
- 肺活量(VC)
- ゆっくり限界まで吸ったあとに、ゆっくり限界まで吐き出せる空気の量のことです。性別、身長、年齢から求めた肺活量の予測値と比較します(予測値と比較して何%であるかを示した値を%VCといいます)。%VCの正常値は予測値の80%以上です。
- ゆっくり限界まで吸ったあとに、ゆっくり限界まで吐き出せる空気の量のことです。性別、身長、年齢から求めた肺活量の予測値と比較します(予測値と比較して何%であるかを示した値を%VCといいます)。%VCの正常値は予測値の80%以上です。
- 1秒率
- ゆっくり限界まで吸ったあとに一気に限界まで吐き出す検査を行います。そのときに1秒でどれだけ吐き出せるかを表しています。1秒間に吐き出した空気の量が肺活量全体の70%以上であれば正常です。1秒率が低下している場合には、息を吐き出しづらい状態であり、空気の通り道が狭くなっていることが予想されます。
肺活量と1秒率の検査値から、肺の病気の診断をすることができます。例えば、間質性肺炎では肺が広がりにくくなり、肺活量が低下します。また、1秒率が低下する病気としては、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支喘息(BA)などがあります。
検査の流れ
- 背筋を伸ばした良い姿勢で着席する
- マウスピースをくわえ、隙間のないように口を閉じる
- 鼻をノーズクリップで止め、鼻から空気が漏れないようにする
- 検査の担当者の指示通りに呼吸をする
(数回静かな呼吸を行う→ゆっくり限界まで息を吐き切る→ゆっくり限界まで吸ってゆっくり限界まで吐き出す→数回静かな呼吸を行う、などの指示がある) - 検査時間は10分程度で、すぐに帰宅可能
検査を受ける際の注意点
- 患者さんの呼吸の仕方によって結果が変わることがあるので、担当者の指示によく従ってください。
- 予測値を算出するために、性別、身長、年齢の情報が必要です。
- マウスピースは使い捨てのものを使用するので、衛生面は安心です。
- 意識障害や認知症などがあって患者さんの協力を得ることが難しい場合は、測定することが難しい検査となります。