かぶしょうかかんないしきょうけんさ(だいちょうかめら)
下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)
1人の医師がチェック 1回の改訂 最終更新: 2025.09.24

検査部位

大腸

対象疾患

大腸がん直腸がん脂肪腫大腸ポリープ憩室炎細菌性腸炎、潰瘍性大腸炎クローン病

概要

下部消化管内視鏡検査は肛門や大腸の中をカメラで観察する検査です。下部消化管内視鏡検査では肛門から内視鏡を挿入します。ポリープ、がん潰瘍性大腸炎クローン病など他の画像検査では見つけることが難しい病気の診断をすることができます。一方で、便があると腸の中の観察が難しくなるので、前日から下剤を飲んで腸の中を空っぽにしなければ検査ができません。下部消化管内視鏡検査は多くの病院・クリニックで受けることができます。

メリット

  • ポリープ、がん、潰瘍性大腸炎クローン病など他の画像検査で見つけることが難しい病気を診断することができる
  • がんの疑わしい場所があれば、一部を取ってきて精密検査に出すことができる
  • 早期のがんであれば、内視鏡で切除することができる(開腹手術で切除するよりも身体の負担は小さい)

デメリット

  • 腸を観察しやすくするために空気を入れるので、おなかが張ったり痛みを伴ったりすることがある
  • 検査前に腸の中を空にするため下剤を服用しなければならない

詳細

下部消化管内視鏡検査は肛門・大腸の中をカメラで観察する検査です。下部消化管内視鏡検査では肛門から内視鏡を挿入します。回盲部という大腸と小腸の境界部位まで通過させることで大腸全体の粘膜を観察することができます。下部消化管内視鏡検査では観察しやすくするため大腸に空気を入れて検査を進めます。
また、下部消化管内視鏡検査は他の検査とは違い、病巣(病気のある場所)を直接見ることができるという特徴があります。ですので、内視鏡検査をすることで病巣の位置だけでなく、その形状・色調、どのような広がり方をしているかということもわかります。とても小さい病変や識別しにくい病変がある可能性がある時は、内視鏡の先端から色素をまいて病変を目立たせることがあります。また、病変部位の粘膜の細胞を直接採取して顕微鏡で観察することで、がんであるかの判定を正確にできます。
下部内視鏡検査では、大腸の中を観察するので検査の際は腸の中を空にする必要があります。そのためには、通常検査当日に下剤を服用し腸の中の物をきれいに出さなければなりません。

検査の流れ

前日から準備します。前日は夕食を軽くしたり、消化の良いものを食べるようにしてください。検査当日の食事や飲水は医師の指示に従ってください。

  1. 下剤を内服する。その後7-8回程度お手洗いに行き、お通じの状態をみて看護師の許可が出たら検査開始
  2. 専用の下着を履く(肛門側に穴があいている)
  3. 検査台に横になる
  4. 点滴や血圧計などの機械をつける。場合によっては、鎮静剤や腸の緊張を和らげる薬を使う
  5. 肛門から内視鏡が挿入される。この時、医師は大腸にポリープ・炎症があるかなどを見ていく。30-40分で検査終了
  6. 検査が終了したらしばらく安静にする。その日は自転車や車の運転は避ける必要がある

検査を受ける際の注意点

  • 内視鏡検査前の飲食の中止のタイミングは病院ごとに多少異なりますので、検査を受ける病院の指示に従うようにしてください。
  • 血をサラサラにする薬(バイアスピリン、ワーファリンなど)など事前に中止が必要な薬があるので、担当の医師とも相談してください。
  • 検査当日の薬の内服については担当の医師に相談してください。
  • 検査を円滑に進めるために、麻酔薬などを用いることがあります。過去に薬に対するアレルギーを起こしたことがある場合には、事前に伝えるようにしてください。