処方薬
トーモル静注10mg
後発

トーモル静注10mgの添付文書

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効果・効能

狭心症、心筋梗塞、その他の虚血性心疾患、うっ血性心不全。

用法・用量

ジピリダモールとして、1回10mgを1日1~3回徐々に静脈内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

  1. 重大な副作用

    1. 狭心症状の悪化(頻度不明):狭心症状が悪化することがあるので、このような場合には、投与を中止する。
    2. 出血傾向(頻度不明):眼底出血、消化管出血、脳出血等の出血傾向が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
    3. 血小板減少(頻度不明):血小板減少が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
    4. 過敏症(頻度不明):気管支痙攣、血管浮腫、アナフィラキシー様症状等の過敏症が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
  2. その他の副作用:次のような副作用が現れた場合には、症状に応じて適切な処置を行う。

    1. 過敏症:(頻度不明)発疹、蕁麻疹[発現した場合には、投与を中止し、適切な処置を行う]。
    2. 精神神経系:(頻度不明)頭痛、眩暈、熱感、倦怠感。
    3. 循環器:(頻度不明)心悸亢進、胸部不快感、血圧低下。
    4. 消化器:(頻度不明)嘔気、嘔吐。
    5. その他:(頻度不明)胸痛、筋肉痛。

使用上の注意

(禁忌)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

(慎重投与)

  1. 低血圧の患者[更に血圧を低下させることがある]。

  2. 心筋梗塞の急性期の患者[血圧低下により症状を悪化させる恐れがある]。

  3. 重篤な冠動脈疾患(不安定狭心症、亜急性心筋梗塞、左室流出路狭窄、心代償不全等)のある患者[症状を悪化させることがある]。

(重要な基本的注意)

  1. ジピリダモールの経口剤を投与中の患者に本剤を追加投与した場合、本剤の作用が増強され副作用が発現する恐れがあるので、併用しない。

  2. 本剤との併用によりアデノシンの有害事象が増強されることから、本剤を投与されている患者にアデノシン(アデノスキャン)を投与する場合は、12時間以上の間隔をあける。

(相互作用)

  1. 併用禁忌:アデノシン(アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物は併用注意)(アデノスキャン)[完全房室ブロック、心停止等が発現することがあるので、本剤の投与を受けた患者にアデノシン(アデノスキャン)を投与する場合には少なくとも12時間の間隔をおく、もし完全房室ブロック、心停止等の症状が現れた場合はアデノシン(アデノスキャン)の投与を中止する(本剤は体内でのアデノシンの血球、血管内皮や各臓器での取り込みを抑制し、血中アデノシン濃度を増大させることによりアデノシンの作用を増強する)]。

  2. 併用注意

    1. キサンチン系製剤(テオフィリン、アミノフィリン水和物)[本剤の作用が減弱されるので、併用にあたっては患者の状態を十分に観察するなど注意する(テオフィリン等のキサンチン系製剤は、本剤のアデノシンを介した作用を阻害する)]。
    2. アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物[本剤はアデノシンの血漿中濃度を上昇させ心臓血管に対する作用を増強するので、併用にあたっては患者の状態を十分に観察するなど注意する(本剤は体内でのアデノシンの血球、血管内皮や各臓器での取り込みを抑制し、血中アデノシン濃度を増大させることによりアデノシンの作用を増強する)]。
    3. 降圧剤[本剤は降圧剤の作用を増強することがあるので、併用にあたっては患者の状態を十分に観察するなど注意する(本剤の血管拡張作用により、降圧剤の作用が増強されることがある)]。
    4. 抗凝固剤(ダビガトランエテキシラート、ヘパリン等)[出血傾向が増強する恐れがあるので、併用にあたっては患者の状態を十分に観察するなど注意する(これら薬剤は抗凝固作用を有するためと考えられる)]。

(高齢者への投与)

一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意する。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[動物実験(マウス)でわずかに胎仔への移行が報告されている]。

  2. 授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には、授乳を中止させる[動物実験(ウサギ)で母乳中へ移行することが報告されている]。

(過量投与)

  1. 症状:本剤の過量投与により一過性血圧低下、心停止、心臓死、致死性心筋梗塞及び非致死性心筋梗塞、胸痛/狭心症、心電図異常(ST低下、洞停止、心ブロック、徐脈、頻脈、細動等)、失神発作、脳血管障害(一過性脳虚血症、脳卒中等)、急性気管支痙攣が現れることがある。

  2. 処置:過量投与時には、一般的な対症療法が望ましいが、過量投与時の激しい胸痛が発現した場合は、アミノフィリンの静注等の適切な処置を行う。

(適用上の注意)

  1. 投与時:急速に静脈内注射をすると、特に高血圧のある患者において血圧が下がることがあるので、ゆっくり注射する。

  2. 調製時:ジピリダモールの化学的性質により配合変化を起こしやすいので、他の薬剤(ブドウ糖注射液を除く)との混合注射はしない、なおブドウ糖注射液とは混合注射が可能である。

  3. ワンポイントアンプルカット時:アンプルのくびれの部分をエタノール消毒綿等で清拭し、アンプル頚部の●印を上にして両手で反対方向(下方)へ軽く力を加えてカットする。

(その他の注意)

  1. 海外において慢性安定狭心症の患者を対象にβ遮断剤、カルシウム拮抗剤、及び長時間型硝酸剤投与中の本剤の追加投与の効果を検討するため、二重盲検法にてジピリダモール徐放カプセル(1回200mg 1日2回)又はプラセボを24週間追加投与したところ、「運動耐容時間」に対する本剤の追加投与の効果は認められなかったとの試験成績がある。

  2. 本剤を承認外の薬物負荷試験の目的で承認用量を超えて静脈内投与した場合、一過性血圧低下、心停止、心臓死、致死性心筋梗塞及び非致死性心筋梗塞、胸痛/狭心症、心電図異常(ST低下、洞停止、心ブロック、徐脈、頻脈、細動等)、失神発作、脳血管障害(一過性脳虚血症、脳卒中等)、急性気管支痙攣が現れることがある。

(取扱い上の注意)

安定性試験:最終包装製品を用いた長期保存試験(25℃、相対湿度60%、3年間)の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、トーモル静注10mgは通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。

(保管上の注意)

遮光。